千佳子は、手術台に四つんばいにされていた。
むき出しにされた股間は高くつきあげられていたが、もともとジェネレーターガール候補である千佳子は性器をさらしていることについてはそれほど抵抗を感じなかった。

「身体が動くと、余計なけがをしますからね。」
そういって、ふくらはぎを貫通する穴が開けられ、脚が動かないようにボルトで固定させられた。
もちろん麻酔はなしだ。だが、千佳子にはそれほど新鮮な刺激ではなかった。じんじんとしびれるほどの痛みが脳内で別のものにかえられていく。
背骨の動きを制限するために金属製のコルセットが着けられた。

「では始めましょう。」
天井から、凶悪なフォルムを持ったものが降りてきた。
女性器をぱっくりと広げている千佳子には、それがこれから何をおこなおうとしているのか容易に想像がついた。
バイブレーターと呼ぶことはできないだろう。削岩機にも見えるそれは無数の金属製のトゲがあるドリルのようなものだった。
トゲが、回転を始める。

「いや・・・だめ・・・なくなっちゃう・・・」

「安心したまえ、千佳子君」
渕田主任の声がかかる。
「先日摘出した卵子から、君の内臓のいくつかを培養した。とりあえず、子宮と膀胱、腸くらいならずたずたになっても大丈夫だ。」
回転するトゲが千佳子の膣口に触れた、尖った先端が円を描くように千佳子の外性器をひっかき、傷をつける。そしてそれは、ゆっくりと千佳子の膣内に侵入した。
トゲが千佳子の内側を切り裂く。内壁がボロボロになり、ちぎれた膣の小片が螺旋状につけられたトゲに運ばれて膣口からあふれ、ぼとぼとと手術台に落ちた。
「ああああぁぁぁぁ・・・・・・・。」
千佳子が声をあげる。
トゲは千佳子のてっぺん近くまで到達していた。
千佳子の膣の最奥が、はかない抵抗をする。
十数秒後、その抵抗がなくなり、トゲのドリルは千佳子の腹部に侵入した。
やわらかい千佳子の内臓が、トゲに切り裂かれながらわずか絡まり、ドリルに巻きついていく。

千佳子は激痛の中、腹に入っているものが、引っ張られるのを感じた。

渕田主任の合図で、ドリルは回転を止め千佳子の下腹部から引き出された。
そのトゲに絡まって千佳子の腸がずるずると引き出された。

首をねじ曲げて千佳子はそれを見た。
自分の股間から、細長いものが際限なく引き出されていく。

痛みはもう感じなかった。
腹部から引き出されてゆく内臓を、不思議に感じながら、千佳子は気を失った。


どうして自分はこうして平気でいられるのだろう、と千佳子は思った。
培養槽の中で目覚めた時、自分の体には何ひとつ異常がないように思えた。
また、身体が癒えたら、責め苦をくり返されなくてはならない・・・。

ふと、主任が卵子から培養したのは、本当に内臓だけだったのだろうかという疑問が浮かんだ。
自分そっくりのもう一人の私が、もう家にかえって普通の暮らしをしているんではないだろうか?

そして私は・・・死ぬこともなく・・・永遠にこの毎日を・・・。