前回の試験で、私についての実験は終了しました。 あとの契約期間は、私のからだの変化についての検査です。

でもそれが普通に終わらないって事は、わかってました。
私が、契約を更新しないって言った時、渕田主任はすごく不機嫌そうでしたから。

「痛みによる刺激やストレスによって、君のからだにはいろいろな変化が生じたはずです。それを検査、測定します。」

そして、長い検査が始まりました。

私のおなかは切り開かれ、内臓がどんどん取り出されていきました。麻酔がなくとも痛みに耐えられる私は、気を失うこともなくそれを見つめていました。
空っぽになった私のおなかの中にはいろいろな測定器具が詰め込まれました。
いろいろな刺激を私の神経に直接与えたり、薬品を注入したりして、私の身体の反応を見るんです。
何人ものひとが無造作に私のからだにメスを入れ、お肉を削ぎ分けて、神経をむき出しにします。それを装置の端子につないで、電気を流したりします。
女性器にもいろいろな刺激が与えられます。信じられないほど多くの機械が、私の女性器に詰め込まれました。
体中にいろいろな刺激が与えられ、痛みに叫び、不覚にも感じてしまうのを、研究員たちが無機質な目で見ます。

もうみんな私のことを実験動物のようにあつかいます。
メスを入れるのも、あそこをいじるのにも遠慮ありません。
私を切り刻みかけたまま食事にいったり傷を塞がないままみんな帰ってしまったりします。
切り刻まれることだけでイッてしまう私を、もう普通の女性として見ていないのかもしれません。

最後の「検査」はそうして何日も続きました。
契約終了日。
私の身体はすべて元どおりになっています。渕田主任に最後のあいさつをし、研究所をあとにしました。少しだけさみしい気がするのはなぜでしょうか。
でも、もうここに戻ってくることはないんです。もう私が切り刻まれたりすることはないんです。

そう思っていました。そのときは。