私が研究所に再就職してから一ヶ月近くたちました。
切られた手足はすっかり元どおりになりました。
悪い環境で切られたせいでリハビリをしなくてはなりませんでしたが、私には時間がありました。
身体が治ったら、私にはあの拷問漬けのような毎日がまたやってくると思っていました。
しかし、私に言い渡された仕事は、実験の手伝いとかをするアシスタントでした。

そう、研究室には新しい被験者が入っていたのです。
彼女たちの名前は「貴島 薫」「貴島 桜」、双子の姉妹です。

私が、契約延長を断ったときから探し始め、退所するときにはもう見つかっていたそうです。世の中には変わった人がいるみたいです。
すでに、研究予定がもう組まれていて、私の居場所はありません。でも、ほっとしました。私は、痛いことされないでいいんです。

こんな状態なのに、私をもう一度研究所に入れてくれた主任をうたがってしまった自分が恥ずかしいです。

今日は、薫さんの実験です。
普段からおとなしい薫さんは、年齢よりとても大人びた感じがします。でも、本質は私と同じ、痛みによって快楽を得る女なんです。
薫さんのからだが実験台に固定されます。立ったままです。ベルトとかでなく、身体に金属のボルトが打ち込まれます。両手の指先に細いドリルで穴が開けられ実験台にネジ止めされます。

渕田主任が、薫さんのおなかにメスを入れます。
おなかが縦に大きく切り裂かれ、腹圧で内臓が飛び出してきます。人工心肺はすでに接続されているので、主任は内臓を無造作に切り取っていきます。

薫さんの息が荒くなります。とても苦しそうです。それはそうでしょう、普通の人ならショックで死んでしまうくらいの事ですから。
私は切られるときいつも大きな悲鳴を上げていましたが、薫さんは小さな声をあげるだけです。
その切なそうな顔だけを見れば、愛撫されている時のようです。

薫さんのおなかの中にはたくさんの測定器が詰め込まれました。私との違いを調べるのでしょうか。
一通りの計器がつけられた後、薫さんの乳房に軽い責めが加えられました。長い針を何本も刺してゆきます。
私にはわかりますが、もうこのあたりの刺激にはひどい痛みは感じません。おなかを裂かれているときに
もう、脳内麻薬が出ているからです。乳房が斜めに切り取られ傷口に電極が刺されました。
薫さんの体が大きくはじけます。
電気を使った責めです。私のときには無かった新しい試みもされているようです。

今日の最後として、クリトリスに長い針が刺されました。
クリトリスへの責めは一番強い刺激です。薫さんが、絶頂を迎えたのがわかりました。
その後です。絶頂の痙攣がおさまった後、薫さんはとろけるような笑顔で自分の体を見たんです。
えぐるように切り取られた乳房、大きく傷があき測定機器で膨れた腹部、わからないものが詰め込まれている下半身。
それを、いつくしむように。

彼女は私とは違う。決定的に。そう感じました。