あんなことがあってから、ずいぶん気まずい気がしていましたが、主任は私への実験を再開してくれました。 痛みにずいぶんなれてしまった私の身体をひどく傷めつけるのはかなりの危険が伴うそうで、準備にはずいぶん時間がかかりましたが。 今度の実験は私の身体を熱した鉄棒で嬲るというものです。首から上は守られますが、身体は余熱で煮えて使い物にならなくなってしまうそうです。 実験内容を聞かされた時はぞくぞくしてしまいました。身体がもうダメにされてしまうなんて。 渕田主任の指示で実験がはじまり、真っ赤になった鉄の棒が逆さにつるされた私の太ももに押しつけられました。 私の足は、シュッと軽い音を立てただけで、鉄棒のかたちにへこみました。高熱で肉が蒸発してしまったのです。 その瞬間はなにも感じませんでしたが、少しして周囲の広い範囲が痛みだしました。 私のからだが、実際の痛みと、「痛めつけられている」という事実に反応して疼きだします。刺激を求めます。 鉄の棒は私の身体のあちこちに触れながら確実にやけどを増やしていきます。鉄の棒が一ヶ所にとどまっていると、周囲の血が沸騰し水ぶくれができます。 温度の下がった鉄棒は、私の肉をジュウジュウと焼き焦がします。煮えてしまった肉はもろくなってしまいます。私の腕がなかばからぼとりと落ちました。 私は自分の体がこわされていく被虐的な感覚に酔いしれます。泣き叫びます。本当に苦しいのもありますが、その方が気持ちが昂ぶるからです。 主任は、私が十分に感じてきたのがわかったようです。 鉄棒が私のやわらかい腹部につき込まれました。そのままとどまった鉄棒は私の内臓を焼き焦がし煮え立たせます。 おなかの中がぐつぐつと音を立て、臓器がはぜます。 もう私のからだは私に苦痛を与えるだけの能力しか持っていません。煮えて白くなってしまったからだはもう癒すことはできません。 そして私の下半身に鉄棒が奥深く突き込まれました。私の女の器官はすべて焼けただれ、最後にわずか残った神経からの刺激で、私は絶頂に達しました。 もう、生きているのは首だけです。首につなげられた人工心肺から供給される血液だけが私を生かしています。 感覚のなくなった身体を感じながら陶然として私は近づいてくる主任をみました。 周囲には、私の肉の焼けるにおいが漂っています。なにが焼けているか知らなければ誰もが食欲をもよおすでしょう。 主任は私の身体を少し眺めていると乳首の残った左の胸をつかみました。私に感覚はありませんでしたが、余熱ですっかり煮えていた乳房は少しの抵抗とともにちぎれました。 !!! 食べられた!? 私には主任が私の肉を食べたようにみえました。いえ、ただにおいをかいでいただけかもしれません。 でも、「私、主任に食べられちゃった」、という思いは煮えてしまった体中を駆け巡り、めまいがするほど私を感じさせました。こんな幸せはないってくらいに。 |
私のからだは新しいものと取り替えられました。海外の技術との提携でできるようになったらしいです。主任に切り取られてしまった卵巣も戻してもらいました。 首にはいくつかのコネクタがつけられましたが、これは次に身体を取り替える時に便利なようにだそうです。 私はまだまだいろんなことをしてもらえそうです。 ただ、最近、主任の顔を見るたびに赤面してしまうの、なんとかしないとなって思います。 |