私は今、石造りの牢獄の中にいます。
ある男のプロポーズをことわったら、その男は、教会に私のことを魔女だと訴えでたのです。もちろんわたしにそんな覚えはありません。
しかし魔女狩りたちは、私が自白するまで、拷問を続けるのです。
爪がはがされ、指がおられ、足はつぶされて歩くこともできなくなりました。
棘のついた鞭で打たれ、身体の敏感なところを火であぶられ、ついに私はその苦しみから逃れることを選んだのです。
私は魔女が火あぶりに会うところを何度かみたことがありました。
目を背けたくなるほどの悲鳴とそして匂い。今度は私がその中に入るのだと思っていました。

しかし私には別の刑が用意されていました。
内臓を傷つけけないように先端を丸め、油を塗った杭で、串刺しにされ何日も半死半生のまま晒し者にされるのです。
私の女性器から、木の杭が打ち込まれました。裸で四つん這いになった私を押さえつけ、大きな槌で杭が私の体の中に打ち込まれていきます。
膣を突き破りおなかのなかばほどまで入ったところで杭は垂直に立てられました。
自分の体重で、杭はどんどん私の中に入っていき、身体をよじっていたため、首筋からつきでました。このまま私は何日も晒されるのです。

死ぬまで。
「千佳子、散歩にでも行くかい?」
主任が声をかけてくれました。
私は今、実験の最中です。私のデータはずいぶん集まってきているので、測定装置を簡略化して、脳波からエネルギー発生量を計算できるような装置を作っているのです。
継続的な痛みを与えるため、私のからだには2本の杭が打ち込まれています。
例によって脳は保護されていますが、身体に入った大きな異物の圧迫感と痛みはずいぶん大きいです。
なんて、串刺しってことで、魔女狩り気分にひたって、自虐的な妄想を楽しんでいたのですけどね。 あれ?串刺しはヴラド公だったかな。

「散歩って、私、串刺しにされたままですよ?」

ひゅーひゅー雑音が混ざる声で返事をします。よく考えると異常なセリフですけど。

「千佳子なら歩けるだろう。そのままでいい。」

主任のお誘いを私がことわるわけもありません。(ふふ、恥ずかしい)
私は串刺しのまま近くの公園まで主任とお散歩に出かけました。

やはり歩くと激しい痛みが全身を襲います。 涙がこぼれ、顔は苦痛にゆがみます。主任はそんな私のことを気づかいもせず、すたすた歩いていきます。
が、ときおり、主任は立ち止まって木々の間の何かをみているふうなしぐさをします。その間によたよたと私は主任との間の距離を狭めます。

そして、私たちはそう離れることもなくお昼休みを一緒に過ごしたのです。なんだか、とても幸せでした。