私は電車の中でつかの間の夢想の時を過ごした。
夢想の中で私は何度も犯され辱められた。
幸せだった。
そんなときが永遠に続けば良かった。
でも、時は誰にも平等に残酷に終わりを告げる。


電車から降りた私は、興奮状態のまま、一人になれる場所を探した。
現実には孤独で、悲しくて、寂しくて、猥褻で、卑しくて、惨めな自分を、慰める為に。

ありがたい事に、私には自分を幸せにしてくれる器官がついている。
そこを弄べば、その他の取るに足りない事は忘れる事ができるのだ。

敏感な部分に針を刺したまま私は駅ビルで望ましい場所をを探して歩いた。
トイレみたいな所は、女性しか来ないし、密室になれるし、刺激が足りない。
せっかく野外で自慰するのだから、男にレイプされる位の危険がない所でないと物足りない。

針がズキズキと身体を責めさいなむ。

人気のないところへと歩を進めていったそのとき、曲がり角に潜んでいた誰かに身体を抱きすくめられた。
誰かの腕が胸に巻き付き、乳首に刺さっている針が乳房に食い込んだ。

「あぁ!」 と、声が出た。

その声を止めるように口に布が当てられた。甘い香りがした。

誰かの手は私の股間に移り、突き刺さっている針の先端で私の性器の肉の内側を何度も何度も傷つけた。

ひどく怖くて、痛くて、でも声は出せなくて、涙をボロボロこぼしているうちに私の意識はなくなった。
気がつくと私はひどく不自由な感じだった。
横になっているという感じでもないが、身体が動かせない。
頭もぼーっとしている。ひどくお酒を飲んだ時みたいに。

少しずつ醒めてくる頭が、自分の前に鏡があり、自分の姿が映っている事を認識した。

十字架のような台に立てかけられている私は、何本もの槍につらぬかれている。

ばかみたい。そんな事あるはず無いのに。
身体は動かせない。

指が動く。
鏡の中の自分の指も動く。
自分の身体を見てみる。
幾本もの尖った金属が自分の身体から突きだしている。
痛みはない。

身体をもう少し動かしてみる。
身体を動かすのは不自由だ。
槍が自分の動きを制限する。
手も、腕も、胴体も、足も、首も。

私の身体は槍に射止められている。

痛くないのに身体は動かせる。感じる。
私の女性器には・・・はっきり言ってしまえば、膣を貫くように何本もの槍が刺さっていた。
力を入れると、膣が槍を締め付けるのがわかる。

私の身体は痛みを感じないようにされて。
意識がないままの私の身体に、誰かが鉄串を突き刺していったんだ。
バーベキューの肉に串を刺すように、何本も何本も。


女の肉体に鉄串を刺したんだ。


私の妄想癖が、もう限度を超えてしまったのか。こんなあり得ない夢を、現実だと思ってしまうほど私は壊れてしまったのか。

私自身には判断できなかった。